資格の学び研究室資格と、これからの私。

YUU JOURNAL / 03

勉強計画

簿記3級、借方・貸方で止まったら。
文房具代600円を「二つの変化」で考える

レシート一枚にも、二つの変化。
お金の動きを言葉にしてから、仕訳を書いてみましょう。

今日のゴール

「借方・貸方」の言葉で固まる前に、一つの取引を二つの変化に分けてみる。小さなお店の文房具代から、仕訳の入口をのぞきます。

小さなお店のレシートと鉛筆、左右に分かれた帳簿を描いたオリジナルイラスト
レシート一枚を、二つの変化として眺める。イラスト:ゆう

文房具を現金で買った。何が動いた?

架空の小さなお店が、仕事で使う文房具を現金600円で買ったとします。今回は、その文房具代を購入時に「消耗品費」とする前提で考え、消費税の処理は省略します。これは当ブログのオリジナル例題です。

まず「お金が600円減った」。ここまでは家計簿でも書けそうです。簿記では、そこで止まらず、何のためにお金が減ったのかも同時に記録します。この例なら、消耗品費が600円発生した、と考えます。

こんな疑問

現金が減ったから、左にマイナス600円、と書けばいいですか?

ゆうの学びメモ

借方は左、貸方は右という置き場所です。左がいつもマイナス、右がいつもプラスという意味ではありません。

費用の発生を左、現金の減少を右へ

この例の仕訳は、借方に「消耗品費 600」、貸方に「現金 600」。現金は資産で、この取引では減っています。消耗品費は費用で、この取引では発生しています。それぞれの性質と増減に合わせて、置く側を決めます。

仕事用の文房具を現金600円で購入(購入時に費用とする例)
借方(左)金額貸方(右)金額
消耗品費600円現金600円

左右の金額はどちらも600円です。「消耗品費という費用が発生」「現金という資産が減少」という同じ取引の二つの面を書いているため、600円を二回払ったわけではありません。

なお、現金以外の支払いや、購入物をいったん資産として扱う問題なら、使う勘定科目や処理が変わります。実際の問題では、指定された条件と勘定科目に従ってください。レシートの品名だけで処理を決めつけないことも大切です。

「減った」だけでは、左右は決まらない

別の場面も見ましょう。お店が現金1,000円を、自分のお店の普通預金口座へ預け入れたとします。普通預金が1,000円増え、手元の現金が1,000円減りました。

現金を普通預金口座へ預け入れる例
借方(左)金額貸方(右)金額
普通預金1,000円現金1,000円

現金は減りましたが、お店の資産がそれだけ目減りしたわけではありません。手元から口座へ、持ち方が変わっています。「現金が減ったから何でも費用」とすると、この違いを見落とします。

なるほど

先に「何が、どう変わったか」を二つ探せばいいんですね。

ゆうの学びメモ

そのあとに、科目の種類と増減を見て左右へ置きます。いきなり左右を暗記するより、取引の説明を一度はさみましょう。

仕訳で迷ったら、三行に戻る

  1. 取引を一文に:誰が、何を、いくらで、どう支払ったか。
  2. 二つの変化を:増えたもの・減ったもの、発生した費用などを書く。
  3. 科目と左右へ:資産・負債・純資産・収益・費用のどれかを考えて記入する。

初めのうちは、三行を書いてから仕訳へ進んでもかまいません。慣れてから途中のメモを短くすればよいので、最初から速さだけを求めず、理由をたどれる書き方を残します。

日商簿記3級は、基本的な商業簿記を扱います。今回の二例はその入口で、決算や帳簿などの範囲全体を学べるものではありません。全体像は日本商工会議所の3級案内から確認しましょう。

次は公式の問題で、条件を読む

公式サイトには3級の問題例が公開されています。問題や答案用紙はリンク先で開き、本文への転載はしていません。解説を探す際は、公式ページから紹介されていても、企業などが作成した模範解答は商工会議所の公式解答とは区別されている点を確認してください。

今日の一歩

白紙に「借方|貸方」の線を引き、文房具代の例を一度書く。次に、何も見ずに「現金が減った理由」を説明してみましょう。

確認した公式情報

日本商工会議所「簿記3級」「3級の公開問題」「問題・解答に関する案内」(2026年10月28日確認)。仕訳の二例、吹き出し、練習手順は当ブログのオリジナルです。